登録日 2004/03/31 最新更新日 2005/04/22

技術内容
名称 強化セメント組成物
特許番号 第2853087号
出願番号 特願平10-95122 出願日 1998/03/04
特許日 1998/11/20
出願人 元旦ビューティ工業
発明者 舩木 元旦、玉野井 英雄、柳町 孝治

要 約 利用価値の失ったガラス屑廃材を再利用し、高強度ポリマーセメント固化体を得る強化セメント組成物を提供するものである。ガラス屑廃材を微細ガラス粉とし、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒と共に水硬性セメントの強化骨材として用い、水溶性合成樹脂エマルジョンと混合することにより、多量の微細ガラス粉粒を骨材として用いた場合でも極めて強度の高いポリマーセメント固化体を得ることを特長とする強化セメント組成物。
利用分野  本発明は、食品飲料用並びに建材等に用いられ利用価値を失ったガラス屑廃材を再活用し、高強度ポリマーセメント固化体を得る強化セメントに関するものである。さらに詳しくは、ガラス屑廃材を粉砕して微細ガラス粉粒とし、これを天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒と共に水硬性セメントの強化骨材として用いることにより、高強度ポリマーセメント固化体が得られ、多量の微細ガラス粉粒を骨材として用いた場合でも道路、建築等の材料に利用可能な強化セメント組成物に関するものである。 
効 果 1)水硬性セメントに強化骨材として天然ケイ酸塩鉱物とガラス粉粒を用い、水溶性合成樹脂エマルジョンと混合することで高強度ポリマーセメント固化体を得ることができた。
2)多量にガラス粉粒を含んだ試料NO.1−6に於いては、微細な空隙が多数存在しつつも使用に耐えうる程度の強度が確保できている。用途として、水の浸透性にすぐれていることから歩道用の敷石等に最適である。
3)その結果、多量のガラス粉粒を骨材として再活用できる道が開けたことにより、ガラス廃材の多量活用が可能となった。
発明の課題  本来、ガラス屑を水硬性セメントに混入すると、強度低下をきたすとの欠点があり、ガラス廃材をコンクリート固化体の骨材として多量に再活用できない。
 本発明では、ガラス屑廃材を微細ガラス粉粒とし、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒と共に水硬性セメントの強化骨材として用い、水溶性合成樹脂エマルジョンと混合することにより、多量の微細ガラス粉粒を骨材として用いた場合でも極めて強度の高いポリマーセメント固化体となることを見いだした。
 すなわち、天然ケイ酸塩鉱物である鉄電気石[NaFe3Al6B3Si6(OH)30]およびザクロ石[Fe3Al2(SiO4)3]はそれぞれ二極性結晶体であるため、粉砕した微細粉が独立した二極性結晶体を有し、これが水と接触するとき天然ケイ酸塩鉱物のもつ電気特性により水を電気分解し、水が水素イオン(H+)と水酸イオン(OH−)に分解する。その際、プラスイオン(H+)はイオン移動度が大きいため、水素ガス(H2)として放出されるが、水酸イオン(OH−)は周囲の水分子(H2O)と結合し[H2O+OH−=(H3O2)−]、ヒドロキシルイオン(H3O2)−と呼ばれる界面活性物質に変化し、界面活性効果を発生することがわかっている。
 本発明においてはこの特性を利用し、水硬性セメントに強化骨材として、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒と微細ガラス粉粒を用い水溶性合成樹脂エマルジョンと混合すると、この水溶性合成樹脂エマルジョンの界面活性効果が促進され、その結果、水硬性セメントと樹脂成分との親和力が高まり、さらには微細ガラス粉粒の粒子界面のぬれ性が向上される等の相乗効果により、骨材として多量の微細ガラス粉粒を添加した場合でも、極めて高強度のポリマーセメント固化体が得られることがわかった。これまで、ガラス屑を水硬性セメントに混入すると固化体の強度低下が見られたが、水硬性セメントの骨材として添加した天然ケイ酸塩鉱物の極微細粒子と水溶性合成樹脂エマルジョンの相乗効果を活かしたガラス廃材の多量活用の可能性のあることがわかり、本発明を完成するに至った。
解決手段  本発明の水硬性セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強セメント、ホワイトセメント、アルミナセメントのいずれでもよいが、本発明では、ホワイトセメントを用いた。天然ケイ酸塩鉱石の微細粉粒の粉砕と、ガラス屑廃材の微細ガラス粉粒の粉砕は、回転叩解式粉砕機により粉砕した。微細ガラス粉粒の粒度は150μm〜3mm程度でよい。また天然ケイ酸塩鉱石の微細粉粒の粒度は5μm〜250μm程度でよい。水溶性合成樹脂エマルジョンとしては、酢酸ビニール系エマルジョン、酢酸ビニール・アクリル共重合樹脂エマルジョン、酢酸ビニール・エチレン共重合樹脂エマルジョン、アクリル系共重合樹脂エマルジョン、アクリル・スチレン共重合樹脂エマルジョンが用いられる他、これらのパウダーを水硬性セメント、天然ケイ酸塩鉱石の微細粉粒、微細ガラス粉粒と共に混合した混合物を適量の水を添加して、セメント−水溶性合成樹脂エマルジョンとして調整することができる。本発明では、水溶性合成樹脂エマルジョンとして、酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合樹脂、アクリル共重合樹脂を水に溶かし20〜40重量%の水溶液を用いた。
 また、本発明のコンクリート固化体は、天然ケイ酸塩鉱物の微細粉粒10〜90重量部、微細ガラス粉粒20〜180重量部、ホワイトセメント10〜90重量部に対し、水溶性合成樹脂エマルジョン20〜50重量部を混合することで強化セメント組成物を得るものである。水溶性合成樹脂エマルジョンは、20〜50重量部の範囲内であればよいが、好ましくは43重量部とするとよい。以下実施例によりさらに詳しく説明する。
【実施例1】水硬性セメント(ホワイトセメント)70重量部、強化骨材として天然ケイ酸塩鉱石の微細粉粒(鉄電気石)70重量部、微細ガラス粉粒60重量部を水溶性合成樹脂エマルジョンとして酢酸ビニル・エチレン・塩化ビニル共重合樹脂(30重量%)43重量部と混合してクリーム状とした後、金属製型枠に流し込んだ。固化脱型し、養生14日後に強度試験をおこなった。比較例として、天然ケイ酸塩鉱石の代わりに天然砂を用いた場合の強度試験結果を併記する。圧縮強度試験はJIS R−5201、曲げ強度試験はJIS A−1408に準じた。その結果、圧縮強度685Kgf/cm2、曲げ強度171Kgf/cm2を得た。天然ケイ酸塩鉱石の代わりに天然砂を用いた比較試験の値は、圧縮強度283Kgf/cm2、曲げ強度95Kgf/cm2であった。
【実施例2】実施例1に従い、水溶性合成樹脂エマルジョンにはアクリル共重合樹脂(30重量%)と天然ケイ酸塩鉱石の微細粉粒にザクロ石を用いた場合の、微細ガラス粉粒の混入量のちがいにより得られた固化体の強度試験を実施した。ガラス粉粒添加量と圧縮並びに曲げ強度の関係を表1に示す。

※上記内容は、特許庁特許電子図書館データベースより転載しています。


問合わせ先 企業名 元旦ビューティ工業
部署名 事業推進部 知的財産課
郵便番号 252−0804
住所 藤沢市湘南台1-1-21
役職 課長
氏名 坂本 憲一
E−Mailアドレス ks368@gantan.co.jp
電話番号 0466-43-2164 FAX番号 0466-43-2165

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